【ジム・ロジャーズ】「大金持ちへの近道」を教えよう

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。ジム・ロジャーズ氏の『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』の講演が東京、京都、大阪で行われました。前回に引き続き、講演や書籍などを中心に投資で勝つ法則をお伝えしたいと思います。

■自分がよく知っている分野で集中投資する

 「投資家として成功を収める唯一の方法は、自分自身がよく知っているものに投資をすることだ。人は誰しも、熟知している分野なり事柄があるだろう。スポーツ、ファッション、車、何でもいい。それこそが投資すべき分野なのだ」
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 ファイナンシャルプランナーとして家計の相談を受けていると、若い会社員でも、金融資産が1億円以上5億円未満の「富裕層」や、5000万円以上1億円未満の「準富裕層」の方々がいらっしゃいます。まれに金融資産が5億円以上の「超富裕層」にもお会いしますが、その多くは集中投資をして若くして富を築いています。

 投資の特徴としては、自分の得意分野に投資をしてきたという方が多いです。ヘルスケアに詳しい人はヘルスケアの株式を、オイルに詳しい人はオイル取引を、不動産に詳しい人は現物不動産やデベロッパーの株に投資をするなどです。
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 ある分野に深く通じていれば、その情報や動きを敏感に察知できると同時に、マーケットのリスクも把握できます。情報や動きをセミナーなどでつかむこともできますが、その場合、そのおいしい情報はマーケットに織り込み済みで、すでに投資のタイミングを逃している可能性が高いのです。

 ロジャーズ氏は指摘します。

 「株式であれ債券であれ、あなたがどんな知識を持っているかによって投資すべき商品は変わる。株式が何たるかを知らずに株式を持つべきではないし、債券の仕組みを理解せずに債券に投資をしてはならない。もし不動産が大好きで、いつも見て回っているような人であれば、全資産を不動産に投入しよう。そうした人が『分散投資にするとリスクが低い』という言葉を信じて、詳しくない株式にも投資をするのは間違いだ」



成功している経営者には、資産の運用よりも自分の会社の価値を高めることに専念している人が多いです。自分の会社のことは、ほかのどの会社よりいちばんよくわかるからでしょう。そこに投資をしたほうが確実に儲かるのです。

 不動産が大好きという人のポートフォリオはほとんど不動産になっていたりします。割安な物件を見つけると、投資したくなるからです。中古マンションの間取り図を見るのが何よりも好きで、ずっと見ていられるという人もいます。
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 そうした人は得意ではない株式投資をするよりも不動産投資をするほうが負けにくいでしょう。不動産には興味はないけれど、新聞の投資欄や『会社四季報』を見るのが趣味という人や、ファンドの運用レポートを見るのが好きという人もいます。他人からすると不気味と思えるほど情熱をかけられる分野や、他人に説明できるほど詳しい分野に投資したほうがよいのです。もちろん、一極集中投資をするとリスクは高くなるので、キャッシュポジションもある程度持っておくほうがよいでしょう。
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■分散すれば資産が増えるまで長期間を要する

 ロジャーズ氏は続けます。

 「ちなみに、『投資は分散すべき』という言葉が投資の常識として語られるが、分散したら大金を手にすることはできない。1970年に1次産品に投資し1980年にそれを売って日本株を買う。そして1990年に日本株からテクノロジー関連株に買い替えて2000年に売ったのなら、あなたは今ごろ大富豪だ。これとは逆に、あらゆる株式や商品に分散投資をしていたら、まったく儲からなかっただろう」
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 投資の大原則といわれる「分散投資」ですが、メリットとデメリットがあります。メリットはリスクを低減できること。「卵は1つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。集中投資をすると、そのカゴを落としたときには全部の卵が割れてしまうかもしれない。一方で分散投資をすれば損失の変動が抑えられ、卵が全滅することはないでしょう。その反面、利益の変動も抑えられるので、資産が大きくなるのに時間がかかるというデメリットもあります。

全文はソース元で
1/5(日) 5:25配信
東洋経済
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200105-00321287-toyo-bus_all