【米国】イラン司令官殺害で論調割れる 「慎重でない」「自衛行動」―米主要紙

 【ニューヨーク時事】米軍によるイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官殺害をめぐり、米主要紙の論調は大きく割れた。4日付のニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は「真の問題は、正当化されるかではなく賢明だったかだ」と論じ、トランプ政権の判断を批判する社説を掲載。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、太平洋戦争で敵対した旧日本海軍山本五十六連合艦隊司令長官の搭乗機撃墜になぞらえ、敵将を標的とした攻撃の正当性を主張した。

 NYTは、国民に人気のある司令官を殺害することで、報復が確実になったと懸念を表明。「地域の調節つまみを突然、沸騰へとひねる前に、なぜもっと慎重で抑制的な手段を講じなかったのか」とトランプ政権に説明を求めた。

 一方、WSJは、米軍に対する攻撃阻止のための自衛行動であり、これまでの多数の米国人殺害に対する「裁きが行われた」と評価。軍事力を示すことでテロを阻止できると訴えた。また、トランプ政権への批判について、大統領がトランプ氏でなかったとしても同様な声が出るのか疑問だと指摘した。(2020/01/05-06:42)

時事通信 2020年01月05日06時42分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020010500074