王さんが85位に…米著名ジャーナリストが選ぶ“野球界100人” 100位のイチローに次いで2人目!

王さんが85位に…米著名ジャーナリストが選ぶ“野球界100人” 100位のイチローに次いで2人目の日本人選手ランクイン

 米野球情報サイト「ジ・アスレティック」が12月から始めた“野球界の100人”。第1回となる100位には昨季限りで現役を引退したイチロー氏が入ったが、NPBで通算868本塁打をマークした王貞治さん(現ソフトバンク球団会長)がランクインした。

 このランキングは年間最優秀スポーツ記者賞に5度も選出され、現在は同サイトの編集委員でもあるジョー・ポスナンスキー氏(52)が独自に選定。米大リーグだけでなく、王さんに見られるようにNPB、そして有色人種が大リーグ入り出来なかった時代に存在したニグロリーグの選手も入っている。

 王さんに関するストーリーは荒川博さんとの合気道を取り入れた猛練習や両親とのエピソードから始まっている。この順位になった理由として、「日本の野球のスタッツをメジャーのスタッツに置き換えることは難しい」としながらも、次の3点を挙げている。

 <1>イチローや野茂のようにメジャーで活躍した選手もいるし、ダメだった選手もいる。でも野球は野球。それは昔のニグロリーグと同じように、メジャーに劣っているものではない。

 <2>王の打撃を(日米野球などで)見た、メジャーのスーパースターは称賛している。(1979年のア・リーグMVP)ドン・ベイラーは「彼が(右翼の狭い)ヤンキー・スタジアムでプレーしたなら40本塁打するだろう」。通算311勝で野球殿堂入りのトム・シーバーや、通算4256安打のメジャー記録保持者ピート・ローズは「彼は素晴らしい打者。メジャーの通算打率でも3割は打つだろう」と話すなど、来日時の外交辞令が含まれているにしても、実力を認めたコメントが多く残っている。

 <3>記者が最も評価するのは傑出した成績。単にリーグ首位の成績だけでなく、その成績が飛び抜けている点である。

 さらには「彼は日本の、マイケル・ジョーダンであり、ムハマド・アリ、そしてベーブ・ルースのような存在。米国のオールドファンがメジャーの年間本塁打記録は1927年のベーブ・ルースの60本と思っているように、2013年にヤクルトのバレンティンが60本塁打で記録を塗り替えても、日本のファンは王が1964年に作った55本こそ記録だと思っているだろう」と記している。

  この“野球界の100人”は、多くの野球人の中から選出する壮大な企画物。年齢的にも私より13歳も若い筆者ながら、「ビッグレッド・マシン」と恐れられた1970年代のレッズ黄金時代を描いた「マシン」を出版するなど、球史に造詣が深く、どうしても昔に厚い感じがするのは否めない。

 コメント欄には異論もあるが、こういうファンの議論を呼ぶ企画は日本球界でもやってみたい。(スポーツ報知ベースボールアナリスト・蛭間 豊章)

【野球界の100人】発表されている順位は下記の通り。
▽100位=イチロー 日米通算4367安打
▽99位=マイク・ムシーナ 通算270勝、現役最終年に20勝
▽98位=カルロス・ベルトラン 通算435本塁打、強打のスイッチヒッター
▽97位=ロベルト・アロマー ゴールドグラブ10度の名二塁手
▽96位=ラリー・ウォーカー 首位打者3度の強打強肩の外野手
▽95位=トニー・グウィン 首位打者8度、通算打率3割3分8厘の外野手
▽94位=ロイ・キャンパネラ=ニグロリーグ出身、強打の強肩捕手
▽93位=オジー・スミス 史上最高の遊撃手。ゴールドグラブ13度
▽92位=バレット・ローガン ニグロリーグ初期の快速球投手
▽91位=マリアノ・リベラ 通算最多の652セーブ。初の満票殿堂入り
▽90位=マックス・シャーザー 最多勝4度、奪三振王3度の現役右腕
▽89位=マイク・ピアザ 野茂の女房役で知られる強打の捕手
▽88位=カート・シリング 血染めの熱投知られる通算216勝右腕
▽87位=チャーリー・ゲリンジャー 200安打7度、通算打率3割2分を誇る強打の二塁手
▽86位=ゲーリー・カーター 1986年メッツ世界一に導く強打の捕手
▽85位=王貞治
▽84位=クール・パパ・ベル ニグロリーグ史上最高の快足外野手

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